戦後の山下町と水町通り
水町通りは、山下公園に隣接する山下公園通りから、一本だけ陸方(中華街寄り)に通された通りです。
「水町通り」の名称は、かつてこの通りに居留民のための水道管が敷設されていたことからこのように呼ばれるようになったらしいという、外国人居留地時代以来のもののようです。
付近一帯は、北部には山下公園があり、南部には中華街、西には日本大通り地区、東には元町・山手地区があるという、観光スポットに囲まれたベルト状エリアです。
終戦年(1945年)の5月(29日)に大空襲による戦渦を被ったことや、その後GHQによる領土接収の対象地域になったことによって復興がやや立ち遅れるのですが、接収解除後、高度成長の流れに伴った都市開発の一端で「ホテル戦争」の主戦場となったことや、1961(昭和36)年に山下公園の向かいにマリンタワーが建てられたことなどが契機となる形で、観光スポットとしての成長が始まりました。
◾️関連リンク
Guide
- 【元町中華街エリア】山下公園通り(山下公園前)
- 【元町中華街エリア】山下公園(大さん橋、横浜中華街傍)
- 【観光FAQ】横浜中華街の歩き方(元町中華街駅/石川町駅からの食べ歩き)
- 【横浜観光FAQ】横浜中華街と街歩きプラン(食べ歩き、お土産選び、etc)
Info・参考資料
- 中区制50周年記念事業実行委員会『横浜・中区史』(昭和60年2月1日)
水町通りと横浜バーの名店、カクテル
現在の水町通り一帯は著名なバーがあることでもお馴染みのエリアで、例えばホテル・ニューグランドのバー「シーガーディアンⅡ」や、街中バーの「スリーマティーニ」などが挙げられます。
扉が無いホテルのバーは誰にでも開かれているように伝わる一方、重厚な扉がある街中のバーは「お店の扉が物理的・精神的な障壁になっている面がある」、要はこの「扉の有無」こそがバーの持つ文化の本質を語っているのだということで、一般に、ホテルのバーは初心者(バーは初めて、もしくはほぼ行ったことがない人)でもOK、街中のバーは中級者(バーが好きでよく通っているという人)以上にお勧めであるといわれます。
確かに、ホテルに併設されているバーであれば入店にそこまでの障壁は感じないことが多いですが、街中にあるバーとなると、「見るからにオーセンティック」なお店ではなかったとしても、独特の敷居の高さを(個人的には、いまだに)感じないこともありません。
この点からは、まずはホテルのバーから入り、慣れたのちに街中のバーへという順を踏むと、無理なくバーの持つ文化になじめるのではないかと考えられますが、そもそもバーとはなんぞや、入ったら何を頼めばいいのか、その辺りからわからないというような場合。
居酒屋との決定的な違いは、バーの場合「料理がお酒と並び立つ看板メニューになる」ことは原則ない点で、通常「お酒以外」はサブとなります。
まずは入り口部分でメインターゲットを「お酒」に絞った上で、一杯目はロングドリンク(ロングカクテル。氷の入ったグラスに入れられた、長い時間をかけて飲むカクテルです)、二杯目はショートドリンク(ショートカクテル。いわゆるカクテルグラスに入れられた、短い時間で飲むカクテル。氷無しです)、三杯目はウイスキーなどをストレートで、という頼み方が定番とされているようです。
居酒屋での時間に例えるのであれば、「とりあえずビール」から「程よく酔えたので地酒へ」というおかわりに近い「味変」的な切り替えで、度数低めのロングで喉を潤したあと、ショートで本格的に酔いに行く、というステップを踏む形になります。
ロングとショートは入れ方・飲み方の違いなので、例えばショートカクテルとして有名なものを「ロング」としてバーテンダーさんにオーダーすることも可能ですが、ロング・ショートでベース(基となるお酒)を合わせると味のグラデーション(味変、酔い加減)を楽しめた上、悪酔いの元となる「チャンポン」を回避できます。
この辺りのことは全て、「ねばならない」ではなく、「こうすると、より楽しめる」部分ですね。
「ベース」の有名どころはジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、ウイスキー、ブランデー、ビール等々。
お店によっては日本酒ベースのカクテルが楽しめる場合もありますが、「どのお酒を飲みたいか」でベースを決めたら、あとはそれぞれロング、ショートと楽しみましょう。
以下、それぞれのベースの定番カクテルです(L:ロング、S:ショート)。
- ジンベース:ジントニック(L、ライム)、マティーニ(S、ドライベルモット・レモン)。
- ウォッカベース:モスコミュール(L、ジンジャエール・ライム)、バラライカ(S、レモン・オレンジ)
- ラムベース:キューバ・リブレ(L、コーラ・ライム)、ダイキリ(S、ライム)
- テキーラベース:テキーラ・サンライズ(L、オレンジ・ザクロ)、マルガリータ(S、ライム・オレンジ)
- ウイスキーベース:ハイボール(L、炭酸割り)、マンハッタン(S、スイートベルモット・チェリー)
- ブランデーベース:フレンチ・ハイボール(L、炭酸割り)、サイドカー(S、レモン・オレンジ)
- ビールベース:レッドアイ(L、トマトジュース割り)
シェイクできないビールにはショートカクテルが存在しないため、ビールベースのカクテルを頼んだ場合、二杯目のショートは純粋に「お好みで」となるでしょうか。
「カクテル一般」だと、ジンベースのジントニック(ロング)やマティーニ(ショート)が定番中の定番、「世界三大(ショート)カクテル」に挙げられるのがマティーニ(ジン)、マンハッタン(ウイスキー)、サイドカー(ブランデー)の三種です。
無難に定番を楽しみに行くか、それとも自分の好みを追求するか。
バーならではのお楽しみが味わえそうなところですね。
◾️関連リンク
Guide
- 【元町中華街エリア】ホテルニューグランド(山下公園前、中華街傍)
Info・参考資料
- ホテルニューグランド公式サイト “シーガーディアンⅡ“
- スリーマティーニ公式X
- 城アラキ『バーテンダーの流儀』(集英社新書、2020.4.22)
